心に残る一言

ある時、中学1年生のあるクラスで、
「今までに、そんなことをしたら、罰が当たるよって、言われた経験のある人」
と聞くと、「ある!」と、ほとんどの生徒が手を挙げてくれました。
今でも、「罰が当たる」ということを言うのだなあと思いつつも、
「私は、親から、そんなことをしたら罰が当たるよって、言われたことは、一度もありません」
と言いました。すると、「へー」という顔をして感心してくれました。しかし、私が小さい頃から、悪いことをしなかったわけではありません。どちらかというと、いたずらっ子で、悪いこともしました。けれど、そんな時、私の親は、
「そんなことをしたら、罰が当たるよ」
とは言いませんでした。その代わり、
「そんなことをしたら、仏さまが悲しまれるよ」
と言いました。
このような話を通して、仏さまのお心を、一緒に味わいました。
仏さま(阿弥陀さま)は、私たちが悪いことをしても、決して罰を当てたりはされません。だからといって悪いことをしてもいいわけではありません。悪いことをすると、悲しまれるのです。
少しでも、仏さまを悲しませない生き方をしたいものです。
合掌

龍谷大学非常勤講師 小池秀章