私たちは、すぐに誰かと比べる癖があります。
「あの人は、なんてすごい人なんだろう。私にはとてもマネできない」
と落ち込んだり、
「あの人と比べれば、私の方が優秀だ」
とうぬぼれてみたり。
仏さまは、そんな私に、
「誰かと比べる必要はありませんよ。あなたはあなたのままで、すばらしい。あなたはあなたの人生を、いのちいっぱいに生きればいいのですよ」
と、やさしく語りかけてくださいます。
仏さまの言葉を聞くと、
「誰とも比べる必要のない、この私がここにいるんだ。私は私のいのちを、いのちいっぱいに生きていこう」
と勇気が湧いてきます。
しかし、だからといって、人と比べることを、すぐにやめられるわけではありません。
「今も、やっぱり、それをやる」のです。
ただ、昔と違うのは、「やったあと、それが見える」のです。
これはとても大きな違いです。それが見えた時、そこに今までと違った人生が、開けてくるのです。
合掌
龍谷大学非常勤講師 小池 秀章