心に残る一言

ある園長先生から聞いた話です。園児たちに、
「ゾウさんのいのちと、アリさんのいのち、どっちが大きい?」
と聞くと、園児たちは元気な声で
「ゾウさん!」
と答えたそうです。何気なく聞いていると正解のように感じてしまいます。
「ゾウさんのいのちも、アリさんのいのちも、たった一つしかない大切ないのちだよね?」
と話すと、園児たちは、
「そうか、ゾウさんも、アリさんも、いのちは一つで、同じいのちだー」
と気づいたそうです。
アリさんよりゾウさんの方が大きいのは、体のことであって、いのちのことではありません。
すべてのいのちは、あらゆるものと繋がり合い、お互い支え合って成り立っています。つまり、私は、私以外の全てのものを内に含むような、ものすごいいのちを生きているのです。
ある先生は、すべてのいのちは、そんな無限の意味内容を持つ尊いいのちである、ということを、
「一本の草も、一匹の虫も、この大自然、大宇宙が、渾身の力を込めて生かしている」
という言葉で教えてくださいました。
「いのちは尊い」と見る眼を、大切にしたいと思います。
合掌

龍谷大学非常勤講師 小池秀章