心に残る一言

昔、福井敏雄さんというお天気おじさんが、おられました。穏やかな感じで、とても人気のある方でした。その福井さんが、ある時、
「明日の天気は、午前中は晴れますが、午後から天気が悪くなるでしょう」
という天気予報をされましたその予報通り、次の日、午前中は晴れ、午後から雨が降りました。福井さんは予報が当たってよかったと思っていたら、ある農家の方が、
「福井さん。福井さんは、今日の天気は、午前中は晴れますが、午後から天気が悪くなるでしょうと言われましたよね。確かに午後から雨が降りました。けれど、私たち農家の者にとって、今は、一雨降ってほしい時なんです。ですから、午後からの天気は、いい天気なんてす」と言われたそうです。
これを聞いて、それ以来、福井さんは「いい天気・悪い天気」という表現はしないように心掛けたそうです。
私たちも雨の日には、「天気か悪い」と言いますが、雨か悪い天気なのではなく、私にとって、濡れたりするので、「都合が悪い天気」なのです。
園外保育から、雨に降られて帰ってきた園児に、「雨が降って大変だったね」と声をかけたら、園児は「雨が降るから楽しかったんよ」と答えたという話を聞きました。
雨の日には雨の日を、大切に生きればいいということを、忘れないでいたいと思います。
合掌

龍谷大学非常勤講師 小池 秀章