「何のために生まれてきたの?」
この問いに対して、ある生徒(高校生)は、「家族に会うために生まれてきた」と答えてくれました。また別の生徒は、「バスケットボールをするために生まれてきた」と答えてくれました。また「何のために生まれてきたのかを見つけるために、生まれてきた」と答えてくれた生徒もいました。中には、「分からない」という生徒もいました。すべて素晴らしい答えだと思います。
この問いは決まった答えがあるのではなく、一人ひとりが自分の問題として問い続けていかなければならない、大切な問いだと思います。
ところで「お釈迦さまは、何のためにお生まれになったのか」知っていますか。親鸞聖人は「お釈迦さまは、アミダさまのことを説くためにこの世にお生まれになった」と、教えてくださっています。ということは「私たちは、アミダさまのことを聞かせてもらうために生まれてきた」と受け止めることができたら、ぴったり一致するのです。
アミダさまは、「すべての人を必ず救う(真実に導く)」と願い、はたらき続けてくださっている仏さまです。そのアミダさまのお心(はたらき)に出遇うことによって私が真実の方向へと導かれ、本当の私へとお育ていただくのです。
「私は、本当の私に成るために生まれてきた」
今、そう受け止めています。
合掌
龍谷大学非常勤講師 小池秀章