「お釈迦さまの
ものがたりU」

えほんより


中川 晟



野村 玲

発 行 所
本願寺出版社


(1)
お城(しろ)のなかの、とりごやに

たくさんのオウムがいました。


料理人(りょうりにん)は

せっせと、えさをあたえて

オウムを、ふとらせました。


王(おう)さまは

オウムの肉(にく)が、だいすきだったのです。


あるとき、一羽(いちわ)のオウムが


ふと、つぶやきました。

「まいにち、なかまが

とらえられてくるのに

どうして、ここが

いっぱいにならないのだろう」


気(き)をつけて、みていると

あさと、ひると、ゆうがたに

一羽(いちわ)ずつ、なかまが

人間(にんげん)につれさられて、いくのです。


そして、ふたたび

もどっては、きませんでした。


--たべられているのだ・・・・・




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