「お釈迦さまの
ものがたりT」

えほんより


 中川 晟



野村 玲

発 行 所
本願寺出版社


  シビ王のほどこし

  「王よ わたしは、そのハトをたべないと うえ死にしてしまうのだ。
  わたしが死んでも、ハトのいのちはたすけると、いうのか」
  
  「ハトにかわる、たべものを、やろう」
  「いいや。わたしは、生の肉でないとたべられない」
    
  シビ王は しばらく、かんがえていました。
  「それなら、わたしの肉を、たべなさい」
  「ハトと、おなじ重さの肉をくれるなら・・・・」とタカは、いいました。

  シビ王は ふとももの肉をきりとり ハトをのせたはかりに
  それをおきました。

   「だめだ、だめだ。 もっとのせないと・・・・」
   タカは、いいました。

   シビ王は、家来にいいつけて うでをきりとって はかりにのせました。

   「まだまだ・・・・」
   タカは あざわらうように、いいました。




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